トライアスロンに初めて参加される方は、様々な不安を抱えたまま大会を迎えることでしょう。
でもそれは誰しもが通る道なので、不安や緊張をしっかり受け止めその上で大会に向けての気持ちを高めることも必要です。
また、そんな中でも大会に向けて「心身」の身体の方も高めていかなければなりません。
尚、大会に向けての調整などはレースの距離により大きく異なりますので、その点は分けて考えましょう。
トライアスロン大会受付後
トライアスロンの大会に受付が完了すると、その時点から大会への準備は始まります。
早い大会では半年ほど前にエントリー手続きをしているケースもあるので、はやる気持ちもあるでしょうがまずは冷静に今後の計画を立てましょう。
まずは練習計画については2週間前、1ヶ月前、3ヶ月前までにしなければならないことをそれぞれしっかり決めて、それらを淡々とこなしていきましょう。
それと共に自分の身体を内面から管理していくことも必要です。
例えば練習での疲労から早く回復させたり、日々の食事もそうですが、体のメンテナンスも徐々に意識していくことも必要です。
それらの計画をアバウトでいいので、紙に書いて貼ったり、頭の中に留めておくようにしましょう。
そうすることで「自分はトライアスロンの大会に出るんだ」という気持ちを維持していくことが必要です。
食事についての考え方
日々の練習と食事の関係については様々な見聞がありますので、あえて細かく言う必要もないかもしれませんが私の経験上で得たポイントをいくつか書きたいと思います。
トレーニングをする上で食べることは重要です。
それは練習の前後はもちろん、日々の食事もそれらが自分の体の一部になっていくので、食べたものが体を作り、その体がトレーニングを作っていく。
そんな流れが練習と食事の関係性ですので、全ての食事を管理するとまではいかないまでもある程度全体のバランスを考えて食事を摂れるようになれるといいでしょう。
また、スポーツの練習方法にしても食事についても一昔前とはずいぶん考え方が変わってきている部分もあります。
水分の取り方や、食事のタイミングなどは30年前とは大きく異なりますし、10年前とも少し変わってきております。
情報ばかり気にする必要もありませんが、体は人それぞれ違いますので自分に合った方法を探し出すのが一番でしょう。
自分の身体を知ること
トライアスロンの大会にエントリーして練習もある程度こなしてくると、オーバーワークと言われる練習のし過ぎでケガをしたり故障のような違和感を覚えることもあるでしょう。
でも、大会が近くなってきてもそれらの違和感が取れない場合は、思い切って練習量を減らして回復に努めることが必要です。
人間の筋肉は数週間練習を休んでも、数%しか筋力は落ちないと言います。
ケガをしてしまった場合は別ですが、故障や疲労を感じる前に徐々に練習の量や質を落として体の疲労を抜いていくことが必要になってきます。
目安としては大会の1ヶ月前くらいからでしょうか。
ロングレースの場合はもう少し前から落とし始めてもいいですが、その辺は人によりけりでしょう。
大会が近くなってきて練習量を落とすと、筋肉が少しリラックスしてきて逆に疲労感を感じるようになってくるかもしれません。
それは、今まで練習漬けの日々を送ってきて筋肉が緊張した状態が続き、体が筋肉の違和感や疲労を感じるセンサーが弱っていたからかもしれません。
ですから、それは今までの疲労がやっと抜けてきた証拠でもありますので、心配しないで軽い練習をこなしマッサージやメンテナンスもしていきましょう。
尚、お風呂などで体を洗う時は出来るだけ自分の手でマッサージするように洗っていきましょう。
そうすることで体のどこに違和感があるのか、また固くなっている部分があれば解ってきますので、そういったことも自分の身体を知る方法のひとつでもあります。
練習量の考え方
大会が近づくにつれ練習の量などを減らしていくことは、よく知られていると思います。
オリンピックディスタンス(51.5km)などであれば、2週間前くらいからは練習量をいつもの半分くらいに減らし、疲労を残さないようにしなければなりません。
ただ、練習の「量」は減らしつつも「質」についてはある程度維持することも必要です。
筋肉の疲労は残さず、心肺機能にはある程度の刺激は必要ですので、短い距離のダッシュや階段の上り下りなどに加えて通勤などで歩く距離を伸ばすもいいでしょう。
いずれにしても、大会前まで練習とは違う何らかの動きは維持しましょう。
ロングレースの場合はもう少し早めに練習量を減らしていくというのが、一般的な考え方です。
長距離・長時間の練習を続けてこられたと思いますので、練習量の減らし方は出来るだけ極端ではなく「徐々に」減らしていくのがポイントです。
突然、練習を止めたりすると逆に体がビックリしますので、週単位で計画的に管理するのが望ましいでしょう。
大会前の刺激についても、先ほどと同じように日常生活上の動きでカバーするようにした方がケガの心配がないですし、気持ち的な負担も少ないです。
大会前の食事について
先ほど全体的な考え方を書きましたが、大会前だからと言って急にこれを食べた方が良いなどということはお勧めしません。
人間の身体は数ヶ月から数年単位で変化していきますので、全体の体質が変わるには6~8年もかかるそうです。
骨は数年単位、血液は4ヶ月、そしてトライアスロンで大活躍する筋肉や肝臓は2ヶ月かかってやっと変化するのです。
ですので、大会直前にこれを食べたからと言ってそう簡単にパワーアップするものではありませんし、長時間動けるようになるものでもありません。
とはいえ、今ある自分の身体を最大限生かす方法はいろいろあります。
それは、胃や腸を強くすることです。
なんと、胃や腸は約1週間でその細胞が入れ替わるので、大会直前でもしっかり作り上げることが出来ます。
胃や腸を強くすることがトライアスロンの大会にどう影響するのか?と思っている方もいることでしょう。
でもよく考えてください。
トライアスロンのレース前には、ある程度のエネルギーを貯めておかなければなりません。
そしてその食べた物を消化・吸収して、力に変えていかなければなりませんし、長い時間になればレースの途中で栄養を取ることもあります。
いくら過酷な練習をして強靭な体を作り上げたとしても、レース前に空腹だったり、下痢をしてしまうようでは本来の実力を発揮できません。
ですから、大会直前は胃腸を強くすることも重要なレース対策になります。
胃腸を強くするには食事の量を少し減らして胃の負担を減らすと共に、食事を摂らない時間を長くしたりして胃を完全に休ませることも必要です。
ただし、胃を休ませるのは1日程度で充分ですので大会前に一度1日1食生活をしてみるのもいいでしょう。
それで胃がリセットして、新たな気分で食事をすることが出来ます。
それに、大会前は練習量を減らすので食事の量も減らすのは当然と言えば当然です。
昔はカーボローディングと言って、大会前には炭水化物を多めに摂ることが良いとされていましたが、最近ではそうでもないという話もあります。
特に私は大会前には食事量を減らして胃を休ませると共に、体を飢餓状態にすることでレース前日の食事の吸収をよくするようにしています。
まとめ
トライアスロンの大会にはあれが良いこれが良いと様々な意見があると思いますが、全く逆の考え方として減らしたり無くしたりすることも必要なことです。
食事については直前に食べた物よりは数ヶ月前に食べた物がレースの時には活きてきますので、焦って色んなものを食べるよりは体調を整えることを考えた方が楽です。
特にレース後半に活きてくるのは、ビタミンやミネラルよりも「エネルギー源」としての炭水化物などが直接体に効いてきます。
あれこれ考えるよりは、今後の長い人生を考えてバランスよい食事にしていくのもいいのではないでしょうか。