ある程度トライアスロンの練習が進むと、自分はどのくらい出来るのか確認するために、ちょっとした大会で力試しをしてみたいと思うことでしょう。
しかし変な言い方ですがトライアスロンは、マラソンなどのスポーツに比べると大会情報やエントリー方法などを知らない人が圧倒的に多いのではないでしょうか。
もちろんホームページには各地域で行われる大会の一覧は公表されていますし、インターネットでエントリー出来る大会も多いです。
とはいえ、まだまだトライアスロンは未知の世界という印象が拭えないような気もしますし、出たことがない方にとっては流れも雰囲気も解りにくいものでしょう。
ここでは、初心者の方が考えるトライアスロン大会の選び方をご紹介してみたいと思います。
初心者におすすめの距離
ひと口にトライアスロンと言っても競技の順番(流れ)は全て同じですが、あとは距離が短いものから長いものまで様々な種類があります。
種類 | スプリント | ショート | ミドル | ロング | アイアンマン |
---|---|---|---|---|---|
主な距離 | 25キロ前後 | 50キロ前後 | 100キロ前後 | 200キロ前後 | 226キロ |
すでに全ての種目に必要な用具を持っていてある程度の練習が出来ているのならば、「スプリント」ないし「ショート」での出場を目指すのが妥当でしょう。
いずれもトライアスロンの中では短い方の距離になりますので、そもそも制限時間が設定されていないとか、あっても緩い条件になっているケースが多いでしょう。
初めての大会であれば制限時間に間に合うかどうかが心配かもしれませんが、ローカルな大会であれば多少は甘く見てもらえることもあるかもしれません。
まずはこれらの大会に出てみて、完走できるのか、自分の実力がどのレベルなのかをある程度把握しておく必要はあるでしょう。
初心者におすすめの大会形式
トライアスロン大会の運営方法として、スイムをプールで行う大会も実は結構あります。
いずれはトライアスロンの大会に出たいけど、まだウエットスーツは持っていない方もプールの大会であれば出やすいのではないでしょうか。
ただし、プールでの水泳が終わった後はバイク会場まで離れているケースもあるので、スイムからバイクへの切り替え(トランジション)の雰囲気は味わえないかもしれません。
とはいえ、水泳の後に自転車に乗るとどうなるのか、自転車のあとに走るとどうなるのか、という感触を得るには充分な環境でしょう。
また名称は違いますが、それぞれの種目の一部だけで行う大会もあります。これらもトライアスロン大会の仲間として各地で頻繁に行われております。
名称 | アクアスロン | デュアスロン |
---|---|---|
種目 | スイム(水泳)+ラン | バイク(自転車)+ラン |
これらは水泳選手や自転車選手が力試しで出場するケースもありますし、元々のトライアスロン選手が調整のために出場することもあります。
そしてトライアスロンを始めたいけどまだ泳げないとか、バイクがないから本格的な大会はちょっと、という方がとりあえずやってみるというケースも多いです。
ですから先ほどご紹介したプールで行う大会や、一部の競技で行われるアクアスロン・デュアスロンなどは初心者の方でも気軽に参加できるのではないでしょうか。
本格的なトライアスロン大会に出る前の準備としては、流れも雰囲気も味わえますし、体力や体の動きがどうなるのか試すのにもいいでしょう。
大会の探し方
日本のトライアスロンのトップ組織には日本トライアスロン連合(JTU)というものがあり、その下に各都道府県ごとのトライアスロン団体が存在します。
各地域のトライアスロン団体ではホームページで大会の予定や概要、申し込み方法などを公表しております。
ですので、まずは自分の住む地域でローカルな大会を探すのがいいでしょう。
もちろんいきなり国内外の有名大会に出ることも出来ますが、一度は大会での流れを経験しておいた方がいいでしょうから、出来るだけ近くで行われる大会を探してみましょう。
ちなみに各都道府県でトライアスロンの団体があるということは、海のない地域ではどうやって開催しているのか、不思議になりますよね。
例えば、長野県では野尻湖をスイム会場としたトライアスロン大会を行っていますし、お隣の岐阜県では長良川という川を使ってトライアスロン大会を開催しています。
トライアスロン大会は海でやるものという概念が崩れたかもしれませんが、海で開催する場合には安全対策に相当な経費と人手が必要になります。
ですから大きな大会以外は、海を使わないでトライアスロンの大会を開催していることも多く、いざとなればどこでもトライアスロン大会は開催できるということなのでしょう。
尚、各都道府県のトライアスロン団体は、日本トライアスロン連合(JTU)のホームページから探すことが出来ます。
http://www.jtu.or.jp/jtu/kamei.html
大会へのエントリー
トライアスロン選手たちの多くは、日本トライアスロン連合(JTU)に登録しております。
JTUは日本のトライアスロンのトップ組織ですので、本のトップ選手たちを世界に送り出すと共に、各地域のトライアスロン団体をまとめる役割りも果たしております。
日本国内で行われる各選手権などは当然JTUへの登録が必要ですが、各地域で行われている大会では必ずしも登録が必須という訳ではありません。
ちなみに地域ごとに行われる大会では、登録していれば参加料が少し安くなるなどの対応をしているケースもあります。
また、トライアスロンの大会の多くは通常3~4ヶ月前までに受付が終了してしまいますが、各地域で行われる大会は1ヶ月前まで受け付けているケースもあります。
ですから大会へのエントリーを済ませてからでも、ある程度の練習期間はあると考えていいでしょう。
トライアスロンの大会は他のスポーツに比べると、そもそも行うスポーツの種目が増えるので、安全対策や準備などに多くの経費が掛かります。
したがって、他のスポーツよりはどうしても参加費が高くなる傾向にあります。一般的な距離のショートタイプで15,000~20,000円ほどかかります。
ただ、初心者向けの大会や距離の短いスプリントタイプであれば、5,000円前後で行われている大会もあります。
まとめ
これまで紹介してきたようにトライアスロンの大会には様々な距離や形式があり、初心者から上級者までそれぞれに合った大会を選ぶことも可能です。
ただ、地域によりその種類は様々ですので、まずは各地域のトライアスロン団体のホームページなどで大会の予定や概要を確認してみましょう。
そして自分にも出場できそうな大会があれば、各地域のトライアスロン団体に遠慮なく質問をしてみましょう。
各地域のトライアスロン関係者は、皆さんトライアスロンに関してはベテランの方ばかりですので、色々と丁寧に教えてもらえるかもししれません。
しかも一度大会に出てしまえば、あなたもその地域のトライアスロン仲間としてすぐに受け入れてもらえる可能性もあります。
また、地域のトライアスロン団体の方とコミュニケーションが取れれば、選手として出る前にボランティアなどで大会の運営方法や雰囲気を間近で感じることも出来ます。
最初は解らないことばかりで、失敗や恥ずかしい思いもするかもしれません。
私も最初はとんでもない迷惑を掛けたり、恥ずかしい思いも色々しました。
でも今思えば「そんなこともあったなぁ」という笑い話になっています。皆さんもいつか、最初の出来事が笑い話になるようなトライアスロン選手になって欲しいと思います。