トライアスロン大会では距離にもよりますが、給水や補給の仕方を自分なりに工夫する必要があります。
大会側が用意しているものもありますが、必ずしも自分の口に合うとは限りません。
また、その日の体調によっては普段食べられるものが食べられない時もあります。
そこでトライアスロン大会での特徴でもある夏場の給水・補給方法を中心に書いてみたいと思います。
トライアスロン大会時の天候など
トライアスロン大会は海などを使って行うため、やはり夏の間に行われるものが多いです。
そもそもトライアスロンの練習は、夏場が一番ピークになるように調整している方が多いとは思いますが、やはり気になるのは大会当日の天候ということになるでしょう。
もちろん大会により開催時期も地域も違うので、各自での分析が必要になるでしょう。
例えば気温に関しては最高気温と最低気温がどのくらいなのかは把握しておかなければなりません。
また、風向きや風速・湿度などもある程度把握してそれなりの対策をすることにより最大のパフォーマンスを発揮できるのです。
ですから、給水や補給をする上でこれらの情報は出来るだけ集めておく必要があるでしょう。
トライアスロン大会での給水
トライアスロンの大会は夏に行われることが多いので、言うまでもありませんが給水は絶対に必要なものとなります。
暑い時はもちろん、涼しいと感じる時でもそれなりに汗はかいています。
体を冷やすために全身に水をかけることが必要な時も出てくることでしょう。
では、種目ごとの給水について簡単に流れを考えてみましょう。
スイム
スイムの最中はご想像のとおり給水は出来ませんので、レース前にある程度体に含ませておく必要があります。
レース当日の朝からスイムの前までに少しずつ、様々な方法で体に水分を保つようにしておきましょう。
この時、スタートの直前で沢山飲むと泳いでいる時に体を冷やしたりお腹の調子が悪くなる可能性もあるので、出来るだけ何度かに分けて少しずつというのが基本です。
スイムが終わってバイクに移る時も、焦らず少しずつ体に染み込ませるように飲んでおきましょう。
バイク
バイクが始まってからは大会の距離によりますが、自分が用意したボトルで飲むか、大会側が用意したボトルをもらうかになります。
オリンピックディスタンス(51.5km)までの距離なら、自分が用意した給水ボトルの水分を飲むことになるでしょう。
ただ、走行中に飲むにはそれなりに「慣れ」が必要ですので、練習の時からボトルの水を飲めるようにしておく必要があります。
また、入れておく水分は普段自分が飲んでいて違和感のないものがいいでしょう。
普段あまり飲まないけど、大会の時はやはりこのドリンクが効きそうだという理由でいきなり飲んでしまうと思わぬトラブルにもなりかねません。
特に市販のスポーツドリンクは塩分がそれなりに入っているため、夏の疲労困憊状態では胃袋が受け付けず戻してしまうこともあります。
ですので、気温次第ではドリンクを少し薄めるなどの工夫も必要です。
また、カフェイン入りのエナジードリンクにも注意が必要です。
エナジー系のドリンクにはカフェインが含まれていますので、普段からある程度飲んで慣れておかないと利尿作用で尿意が出てきたり、様々な影響があります。
上記のスポーツドリンクもそうですが、普段口にしないものを口にするのは避けた方がいいということです。
ラン
バイクが終わってランに入る時には、ほとんどの大会でエイドを設けていると思います。
ここではバイク中に渇いたのどを癒すとともに、体温が上がっている場合は水をかぶるなどの処置も必要です。
そして、ランの途中でもエイドを設けている場合は多いので、のどが渇いてなくても口に含む程度の水分は摂っておきましょう。
お腹が空く時もそうですが、のどが渇いたと感じてから水分を摂っても追いつかないことがあります。
特に夏の大会では脱水などの熱中症になる確率が高くなりますので、とにかくマメに水に触れるようにしましょう。
トライアスロン大会での消費カロリー
トライアスロンといえばとても過酷なスポーツというイメージがありますが、実際にはどのくらいのカロリーを消費しているのでしょうか。
まずは、各競技ごとの消費カロリーをそれぞれ算出して合算してみましょう。
距離 | 体重50kg | 体重60kg | |
---|---|---|---|
スイム | オリンピック | 250 | 300 |
アイアンマン | 700 | 800 | |
バイク | オリンピック | 700 | 800 |
アイアンマン | 3500 | 4500 | |
ラン | オリンピック | 450 | 550 |
アイアンマン | 2500 | 3000 | |
合計 | オリンピック | 1400 | 1650 |
アイアンマン | 5600 | 8300 |
*オリンピックの距離は計51.5km、アイアンマンの距離は計226kmです。尚、この数値は一般の方がトライアスロンの各競技を行った場合のカロリーで計算しておりますので、実際のカロリーは各個人により異なります。
上記の計算によるとトライアスロンのオリンピックディスタンス(51.5km)では、1,300~1,700くらいのカロリーを、アイアンマンでは5,500~8,500くらいのカロリーを消費しているのではないかと推測できます。
これらのカロリーを、トライアスロンのレース中に補給しなければならない訳ではありません。
レース前に体に蓄えておけるカロリー(グリコーゲンの場合)1,300~2,000くらいと言われております。
ですから、オリンピックディスタンスの場合は計算上ではレース中にエネルギーが亡くなる訳ではないので、途中での補給は必要ないことになります。
ただ、初心者の場合は競技時間がフルマラソン並みに長くなる方もいるので、途中である程度補給する必要はあるでしょう。
また、アイアンマンなどのロングレースの場合はオリンピックディスタンスよりはペースが落ちるので、エネルギー源は炭水化物だけではなく体内脂肪も燃焼して使うことが出来ます。
ですので、実際に補給するエネルギー量は消費カロリーの半分以下で済むのではと思われますし、レース中のエイドから補給できるものもあります。
トライアスロン大会での補給方法
トライアスロンのレースでは給水同様に、食べ物の補給もタイミングは限られます。
オリンピックディスタンス(51.5km)であれば、トランジション(着替え)の時に何か口にする程度でいいかもしれません。
ただ、体内脂肪を活用してエネルギーに替えるためにも、競技の途中である程度の補給はしておいた方がいいかもしれません。
給水のところでも書いたように、スイムの途中では基本的に給水も補給も出来ません。
ですから、レース前に少しずつ体の中にエネルギーを貯めておくのもレース対策のひとつとなります。
スイムからバイクに移るトランジションの時には、着替えと一緒に簡単に口に含むことが出来るものを置いておくのもアリです。
また距離が長いレースでは、バイクの競技中にもポケットにジェルや羊かんなどを入れておいて途中で食べる選手もいます。
簡単に補給できるものとしては、マラソン大会などと同様にバナナ・チョコなどと共にパワージェルなどもいいかもしれません。
バイクからランに移るトランジションでも同じように、何か口に入れておく方が安心かもしれません。
その後はランのコース上にエイドがあり、給水と共に補給物があるかもしれませんので、そういったものは活用しましょう。
まとめ
トライアスロンの大会もマラソンと同じように、距離が短いものから長いものまであります。
ですので、その距離により給水や補給物などをとるタイミングが異なりますし、それぞれ対策も違ってくることでしょう。
距離が短いレースでは、出来るだけレース前に体の中にエネルギーを貯めておいて、それだけで完走するのが理想ですが、なかなかそうはいかないかもしれません。
ですから、短い距離のレースでも200~500kcalくらいのエネルギーは用意しておいた方がいいでしょう。
また、距離の長いレースでは人によりますが、1,500~3,000kcalくらいのエネルギーを用意しておく必要はあるかもしれません。