トライアスロンの大会と言えば、海で豪快に泳ぐ場面を想像するのではないでしょうか。
もちろんトライアスロンの主要大会はほとんどが海で水泳が行われますので、有名な大会に出るのであればいずれはウエットスーツも必要になるでしょう。
しかし、ウエットスーツはバイクの次に高価なものになるので、選ぶ際は当然後悔したくないですしじっくり選ぶことをお勧めします。
ここではトライアスロン用ウエットスーツについての解説と、選び方などをご紹介してみたいと思います。
トライアスロン用ウエットスーツは他と違う?
ウエットスーツと言えば、サーフィンやスキューバダイビングを思い出すのではないでしょうか。
もちろん、トライアスロンを含めた全てのウエットスーツに共通している目的は「安全性」です。
生身の体で海の中に入るのは様々な危険があります。体が冷えて低体温症になる危険性が高くなりますし、クラゲや浮遊物が体に当たってしまう危険性もあります。
そんな危険から身を守るには、ウエットスーツのようなものを身に付けているのが安全性が高いということです。
では、何故トライアスロン用のウエットスーツというものが存在するのでしょか。他のウエットスーツとは何が違うのでしょか。
簡単に言うとトライアスロンは長い時間クロールで泳ぎ続けて、しかもレース中に脱ぎやすい造りになっていなければなりません。
それに比べてサーフィンやスキューバダイビングは、ある程度の動きは必要でしょうが本格的に泳ぐわけではなく、脱いだりする時間に制限がある訳でもありません。
それにトライアスロンのスイムでは20分以上、長い場合は2時間近くも泳ぎ続けるため海の中でも汗をかくこともがあります。
それに比べて、サーフィンやスキューバダイビングではそこまで体が熱くなるわけではないと思います。その辺では保温性については多少の違いが出てくるでしょう。
具体的に言うと、トライアスロン用のウエットスーツは他とは生地が違います。
トライアスロン用は高速で泳ぐことを前提にしているので、生地の表面はツルツルしていて水の抵抗を極力少なくなるようにしています。
それに比べてサーフィンやスキューバダイビングは高速で泳ぐわけではないので、保温性を重視したザラザラの生地を使用しております。
またトライアスロン用のウエットスーツは、ゴム生地の中に微量の気泡を含んでいることが多いので浮力が増します。この辺はスキューバダイビングとは全く逆の考え方です。
ということはものによりますが、何もしなくてもプカプカ浮かんでしまうのです。それくらいの浮力があるので、プールで足が沈んでしまう方にとっては大きな魅力でしょう。
そして最も重要なのが、脱ぎやすい構造になっているということです。
サーフィンをしている方がウエットスーツを脱ぐのに時間がかかり過ぎて、イライラするという話をよく聞きます。
トライアスロンはウエットスーツを脱いで、バイクの準備をしている時間もレースのタイムに含まれますので、出来るだけ簡単に脱げるようになっていなければ意味がありません。
ですのでウエットスーツを脱ぐのに10分や20分もかかっていたら、周りには誰もいなくなってしまいます。
そういった意味でもトライアスロン用のウエットスーツはとても簡単に脱げるような工夫が沢山されております。
では、サーフィンやスキューバダイビングのウエットスーツでトライアスロンの大会に出ることは出来ないのでしょか。
答えとしては基本的に「OK」です。
トライアスロンの国際大会などではウエットスーツの生地などを確認するかもしれませんが、一般的なトライアスロン大会ではそこまではしません。
たまにサーフィン用のウエットスーツでトライアスロン用の大会に出ている方も見られますので、出ようと思えば出られるということです。
ウエットスーツを選ぶポイント
先ほど書いたように、トライアスロン用のウエットスーツは他のものに比べて様々な違いがあります。
安全性については各社共に大きな差はありませんので、あとは出来るだけ動きやすく、しかも脱ぎやすいというのがポイントになります。
そもそもトライアスロン用のウエットスーツにも様々な種類があり、生地の長さの違いであったり、構造の違いであったりします。
マラソン大会には様々な距離があり行われる季節も様々ですので、シューズやウェアを数種類持っている方も多いと思います。
それと同じようにトライアスロン大会にも様々な距離があり、行う時期も場所も違いますので水温が変わる可能性があります。
本来であれば、それぞれの状況に合わせたものをいくつか持つのが理想ですが、実際には一般の方はウエットスーツは1着持つのが限界でしょう。
そうなると更に選び方は難しくなってきますので、ある程度の妥協は必要になってくるということは考えておいた方がいいでしょう。
では、トライアスロン用のウエットスーツにはどのような種類があるのかいくつかご紹介しまょう。
まずは生地の長さによる違いです。
種類 | フルスーツ | ロングジョン |
---|---|---|
特徴 | 手首と足首まで生地で覆われている | 腕の方は袖がないが、足首までは覆われている |
メリット | 保温性が高く、水の抵抗が少ない | 袖がないので腕の回転がしやすい |
デメリット | 腕の回転にストレスが掛かる | 保温性が若干低い |
*袖の長さはTシャツタイプとノースリーブタイプがあります。
もう一つ、機能性の違いです。
種類 | ワンピース | ツーピース |
---|---|---|
特徴 | 上半身と下半身がつながっている | 上半身と下半身が別々になっている |
メリット | 浮力が高く、価格が安い | 脱ぎやすい |
デメリット | 脱ぎにくい | 価格がやや高い |
大きく分けてこの4つのパターンがあるので、フルスーツのワンピースであれば保温性と浮力は高いが脱ぎにくいです。逆にロングジョンのツーピースであれば、腕の動きが楽で脱ぎやすいが保温性は若干劣るとなります。
これらの組み合わせで選ぶことになりますので、初心者の方にはとても難しい選択になります。
ですから、大会での水温などを考慮しないのならば、泳ぎの実力などで選ぶのがいいかもしれません。
遅 い ⇔ 速 い | ||||
---|---|---|---|---|
長さ | フルスーツ | フルスーツ | ロングジョン | ロングジョン |
機能 | ワンピース | ツーピース | ワンピース | ツーピース |
あとは最後の決め手というか、価格を決める重要な要素が既製品かオーダーかという問題です。
人の体は千差万別ですから、オーダーで作る方が良いというのは言うまでもないと思いますが、当然その分価格は高くなります。
しかし、トライアスロンをするために鍛え上げられた体形は、筋肉の付き方も人それぞれですので既製品でピッタリするということは考えにくいです。
特に水泳の時はレース中に腕を何百回、場合によっては1,000回以上回すことになるのでちょっとしたストレスが最終的には泳ぎにも影響します。
ですから、あとで後悔しないためにはオーダーで作ることを是非ともお勧めします。
おススメのウエットスーツ
今ではトライアスロン用のウエットスーツも色んなメーカーが参入しておりますので、かなり選択肢はあると思います。
それだけにウエットスーツを選ぶのは大変なことです。
そこでひとつの選択肢ではありますが、トライアスロン用のウエットスーツで歴史があり、今でもシェアが3割ほどあるのではと思われる「シロモト」をご紹介します。
シロモトのウエットスーツは、体のサイズを全て測って1着ごとに作るフルオーダーです。
場合によっては、先ほど紹介したような形以外のウエットスーツも作ってもらえる可能性がありますし、アフターサービスも万全です。
ちなみにフルスーツのツーピースタイプで、ファスナーなしが50,000円前後になっております。
既製品でも30,000~40,000円ほどするところが多いので、1~2万円の違いであればフルオーダーをお勧めしたいです。
シロモト
http://www.shiromoto.info/
まとめ
トライアスロンの大会に出るにはバイクと共に必要不可欠になるウエットスーツは、種類や形式もそうですが、自分の体に合うかどうかが一番のポイントになります。
もしも、腕周りに違和感があればスイムのタイムに大きく影響しますし、胸周りやお腹がキツイと感じれば心拍数が上がりその後の競技にも影響しかねません。
それくらいウエットスーツはフィット感と動きのスムーズさが重要となりますので、出来ればあまり予算をケチって欲しくはない部分です。