トライアスロンの中で一番長い距離と時間を要する自転車は、全体のタイムを縮めるためには是非とも頑張っておきたいパートとなります。
そのためには当然それなりの練習が必要ですし、普通の自転車とは違う独自のテクニックも身に付けなければなりません。
それらについて、私の経験から解る範囲内でご説明したいと思います。
自転車練習時に必要なものは?
トライアスロンの自転車パートは、普通のママチャリでは走れないということは想像が付くでしょう。
ほとんどのトライアスロン選手はロードバイクと呼ばれる、ロングツーリングや競技に使えるような自転車を使用しております。
ロードバイクは時にはもの凄いスピードが出ますし、登り坂でも思いのほか楽に登ることが出来るようにも作られています。
ロードバイク本体はメーカーや種類も様々ですが、金額もピンからキリまであります。
また、このような自転車に乗る時のウェアは風の抵抗を少なくするような工夫がされており、シューズやヘルメットなども必要となります。
では、具体的にどのようなものが必要なのか一覧にしてみました。
品目 | 重要度 | 内容 |
自転車本体 | ◎ | これがないと意味がありません |
ウェア | ○ | 風の抵抗、チェーンの巻き込みがないような対策が必要 |
シューズ | △ | フラットペダルの場合では不要 |
ヘルメット | ◎ | 安全のため絶対に必要です |
グローブ | ◎ | 安全のためには必要です |
サングラス | ○ | 日差しや雨風をしのぐと共にほこりなどから目を守る |
給水ボトル | ○ | 長い距離の時には必要 |
サイクルメーター | △ | 距離やスピードを確認するためにあると便利 |
修理セット | ◎ | パンクした時には自分で修理しなければなりません |
上記のように自転車の練習をするには様々な物が必要となります。
安全上で必要なものや、快適に乗るために必要なもの、またはいざという時に必要なものまであります。
給水ボトルや修理セットは自転車にケースや小型のバックなどを取り付けることが出来ます。
また、自転車専用のウェアにはポケットがいくつか付いているのでそこに入れておくことも可能です。
自転車の練習場所はどう決める?
トライアスロンの大会は選手権など特別な場合を除いて、地方都市で行われるため自転車のコースは山間部も使用することが多いです。
したがって、普段の練習でもある程度山間部を走れるようにならなくてはなりません。
とはいえ、自宅の近くには坂があるような場所などないという方もいると思います。
実は私もそうです。
なので初めの頃は、山間部の方まで車に自転車を積んで練習しに行ったりしてました。
まあ最近は、その山間部まで自転車でそのまま行くようになりましたが。
もちろん、近くの平地でも普通に練習は出来ますが、気を付けて欲しい点があります。
それは、大前提として道路交通法を必ず守るということです。
自転車は「道路の左側」を走ると決められていますので、一部の例外を除き歩道を走ることは出来ません。
自転車は自動車でも歩行者でもない「軽車両」になるので、周りの交通状況をしっかり把握しながら邪魔にならないような走りをしなくてはなりません。
1回でどのくらい走るべき?
自転車の練習量はどのような大会を目指すのかにもよりますが、一般的にはマラソンなどと同じように短い距離の時もあれば、長い距離を走る時もあります。
短い距離でスピードを出すことで心肺機能を強くしたり、長い距離をゆっくり走ることで持久力を作り上げる練習も両方必要です。
トライアスロンの大会では一部を除き最低でも40キロを走ることになるので、普段からそれくらいの距離は普通に走れるようにならなくてはなりません。
また、大会によっては150キロ以上を走る時もあるので、そのような大会を目指す方は当然そのくらいの練習も必要でしょう。
中にはローラーと言って、室内で自転車に乗れるような器具を使って練習している人もいます。
雪が積もるような地域の方はそれがあれば年中練習できますし、天候が悪い日でも練習出来ますのでそのような方法もあります。
自転車を早くするための練習とは?
自転車で速くなるためにはマラソンと同じで、練習には「質」と「量」の両方が必要です。
練習場所のところで話したように、トライアスロン大会で山間部は絶対にあると思った方がいいでしょう。
本格的な山間部でなくても、登りや下りはコースに必ずあります。
そして、その山間部をどうやって走り、しかも体力を温存することがタイムを縮めるカギになります。
トライアスロンの自転車はスイムやランよりもコースが長いので、平地もあれば上り下りもあるので出来る限り「苦手な場所」を無くさなくてはならないでしょう。
私が自転車の練習を始めた頃は、登りが全く通用しなくて本当に苦労しました。
でも、今では登りが逆に得意分野になりつつありますし、下りも上手く利用してタイムを稼ぐためにはむしろ山間部の方が好きなコースでもあります。
そうやってとにかく沢山練習して、苦手なコースを逆に得意分野にするくらいの気持ちがトライアスロンには絶対必要です。
山間部をしっかり走るためのポイントはいくつかありますが、私なりの方法をご紹介したいと思います。
山間部でよくダンシングと呼ばれる「立ち漕ぎ」をしている人がいます。
それはそれで必要なテクニックですし、私も制限時間に間に合わない時などの「いざという時」は使います。
でも、立ち漕ぎは足の筋肉をもの凄く使うことになりますので短い距離であればいいかもしれませんが、ある程度の長い距離を走る時には極力使わないようにしなくてはなりません。
そうしないと後半で足が動かなくなったり、あっという間にスタミナが無くなってしまうことにもなりかねません。
上りや下りでは基本的にサドルに軽く体重を掛けて、へダルを軽く回すことを意識した方がいいでしょう。
その方が足の筋肉を酷使することもありませんし、その後のマラソンに向けてスタミナも温存することが出来ます。
自転車に必要なものでご紹介した「シューズ」ですが、これはフラットペダルではない場合に必要なものです。
フラットペダルとはママチャリやシティサイクルのように普通の靴で乗れる自転車のペダルのことで、よく見かけるものだと思います。
では、フラットペダルではないペダルとはどのようなものかというと、ペダルとシューズを金具で固定してしまうので、下に押す力だけではなく、上に引く力も回転力に活かすことが出来るのです。
そうなると、計算上はフラットペダルの2倍の力が使えることになるのでスピードが上がることはもちろん、登りでペダルを回す力を上下に分散することが出来ます。
これをうまく利用すれば、上りもそんなに怖いものではなくなるかもしれません。
実際には「上下の力」というよりも、それをうまく「回転力」に替えていかなくては意味がありません。
上下に力を入れながらもそれをスムーズに回転させることにより、フラットペダルとは比べ物にならないような力を発揮することが出来るのです。
もちろん、この「回転力」は平地でも十分活かすことが出来ます。
回転力を身に付けるには、頭で考えても上手くはいきませんので、体で覚えるしかありません。
自分のお尻はサドルにある程度の体重を掛けておいて、ペダルを回転させるのに邪魔にならないような位置をキープすることが重要です。
まとめ
トライアスロンのバイクパートである自転車はそれなりの距離と時間が掛かるので、タイムを目指す方だけではなく、完走を目指す方にとっても重要な部門になります。
この自転車をある程度のスピードでこなし、しかもまだ体力を温存しなくてはなりません。
始めのうちは「体力を温存する」というのが難しいとは思いますので、まずはひとつひとつの競技でしっかり力を付けていくしかありません。