トライアスロンのレースは日本各地、色んな所で行われております。
当然、それぞれのコースは全て違いますので、コース対策は人それぞれだとは思いますが、トライアスロン大会に共通するルールはあります。
また、ショートタイプでは平地を走るケースが多く、距離が長くなればなるほど山岳部や登り坂がコース中に多くなってきます。
それらのバイクで注意すべき点をいくつか挙げてみました。
バイクで共通するルール
バイクに限らず、トライアスロン大会では必ず細かいルールが設定されています。
基本的には日本トライアスロン連合(JTU)が決めているものを採用しておりますので、どの大会にも共通するルールは多いです。
ルールを守らなければ様々なペナルティが課せられるのはもちろんですが、場合によっては失格や他の大会への出場停止などの厳しい処分もあります。
せっかく沢山の準備をして出場したのに、ちょっとした不注意でペナルティや失格になったりしたら一生後悔するようなことにもなりかねません。
ルールの基本的なものはレースにおける「安全対策」がほとんどですが、中にはタイムに直結する有利不利を左右するものもあります。
バイクでの装備や持ち込み用具
義務又は推奨 | 取り付け・持ち込み可 | 取り付け・持ち込み不可 |
---|---|---|
ヘルメット・サイクルメーター・ナンバー(ゼッケン) | ||
エアロバー・給水ボトル・補給食・空気入れ・スペアタイヤ・スペアチューブ・パンク修理キット | 空気抵抗を減らす機材・ライト・リフレクター・ベル・泥除け・スタンド |
尚、上記の装備などは大会により異なることがありますので、その大会ごとの規定に従って下さい。
バイクの乗車・降車ライン
また、スイムからバイクに移るトランジションエリアではバイクに乗車することは禁止されております。
サドルに乗ったり、バイクにまたがったり、またはペダルに片足を掛けることも許されません。
バイクに乗ってもよい「乗車ライン」が決められておりますので、そこまでは押して歩きラインを超えてからバイクに乗車することが出来ます。
逆にバイクが終わった時も「降車ライン」が設けられておりますので、その前でバイクを降りなければなりません。
これらを守らなかった場合は、何らかのペナルティが課せられる可能性もあります。
ドラフティングの禁止
そして、トライアスロン独自のルールともいえるのが「ドラフティング」を禁止していることです。
ドラフティングとは他の選手の後ろや近くでバイクを走らせ、風除けにして空気抵抗を減らす行為です。
具体的に言うと、バイクの前輪から測って後方に7m、左右1.5mずつが「ドラフトゾーン」と呼ばれ、この中に一定時間いることを禁止するものです。
ただし、前の選手を追い越す時や混雑している状況などは除かれ、追い越しをする時間は15秒以内と決められております。
また、上記のドラフティング行為を他の選手にさせるような行為も禁止されております。
前の選手を追い越した後にスピードを落としたりして、後ろの選手がドラフトゾーンに入ったままにさせるような行為がブロッキングと呼ばれる禁止行為に当たります。
以上のように、トライアスロンのバイクでは非常に細かいルールが設定されておりますので、競技説明会などでしっかり確認するようにしましょう。
バイクレース中の注意点
先ほどはバイクでの競技中のルールなどを説明いたしましたが、走行中に注意すべき点もいくつかあります。
特にトライアスロンは様々な距離が設定されておりますので、コース設定や天候などにより思わぬことで失敗することもあります。
まずショートタイプなどでありがちなのが、レースが周回コースになっているケースです。
周回が2~3回ならまだ良い方ですが、周回が5回以上になると自分が何周目なのか解らなくなってきます。
でも、周回で何回走ったのかは誰も教えてくれませんので、自分自身で確認しなければなりません。
ですから、周回数を間違えて少ない距離でゴールしてしまった場合は当然「失格」になります。
そのためにもサイクルメーターと呼ばれる、距離やタイムを計る装置を常に付けておくことをお勧めします。
もちろん普段から使って慣れていないと、いきなり大会で使っても操作を間違える可能性が高いので事前の準備は必要でしょう。
また、距離が長いレースならまだいいのですが、短いレースではなかなか補給などがスムーズには出来ません。
水泳の途中ではもちろん水分など飲めませんし、マラソンまで行ってしまうと体力が消耗して補給することも忘れることがあります。
そのためにも、バイクの時にしっかり水分を取っておくことをお勧めします。
ロードバイクには、給水ボトルを付けておけるようなパーツがありますので、そこに給水用のボトルを付けておけばレース中に飲むことも可能です。
もちろんこれも慣れが必要ですので、普段の練習の時から走行中にボトルを取る練習をしておくといいでしょう。
バイクでの上りと下り
ロードバイクが普通のシティサイクルより優れているのは、ビンディングペダルを使えば登りが劇的に楽になるということです。
普通のフラットペダルでは自分の体重を掛けて思いっきり漕がないと、ずっと登り続けるのは相当キツイものです。
では、ロードバイクで登りが楽になるにはどうすればいいのでしょうか。
その一番早い解決方法は、バイク本体や自分自身の体重を軽くすることです。そもそも登りで物理的に邪魔になるのは「重さ」です。
ですからバイク本体をグラム単位で軽くしようとしている選手は沢山いますし、登りが多いコースの大会では減量して臨む選手もいます。
それくらい登りでは重さがネックになりますので、それもひとつの方法であるということは覚えていて損はないでしょう。
とはいえ軽いバイクは高いものですし、登りのために減量するのも大変な作業です。
そこで登りの際にちょっとだけ気を付けると、少しは登りやすくなるテクニックがいくつかありますのでご紹介します。
登りやすくなるテクニック
まずはギアを少し軽くすることです。
そんなの当たり前だよと思うかもしれませんが、ポイントは登り始めの段階でしっかり下げておくことです。
これにより重いギアで筋力を使わず、心拍数も落ち着いた状態で登り始めることが出来ます。
次は、ハンドルの上の方を持つことです。
これは私がよくやりますが、ハンドルの上の方を持つということは上半身が少し上向いた状態になり呼吸がしやすくなります。
それに腕や肩にかかる体重も少し軽くなりますので、全身の筋肉が緩み心身ともにリラックスした状態で登り切ることが出来ます。
あとは、呼吸を落ち着かせることです。
登りになると筋肉を使っていまい血流も悪くなりがちですが、そうなると酸素不足になり呼吸が更に荒くなってしまいます。
そんなことにならないように、呼吸を「ゆっくり吐く」ことを意識して沢山の酸素を取り込めるような呼吸法にしてみましょう。
これらのことをやれば、直ぐに大きく改善されるものではないかもしれませんが、細かい積み重ねが自分の体の変化にも繋がります。
ですので、登りの時にちょっとやってみるのもいいのではないでしょうか。
まとめ
ロードバイクでの下りはもの凄いスピードが出ることがありますので、ほとんどの方は恐怖心が前面に出てしまうものでしょう。
しかし、道路状況をしっかり確認して安全性を確保すれば、これほど簡単にタイムを稼げる方法はありません。
登りがあれば必ず下りもありますので、体を前傾にして風の抵抗を極力少なくすれば、選手によっては時速が10~20キロも違うことがあります。
下りは休憩タイムという意識があるでしょうが、その休憩を活用してタイムを稼ぐ方法があるのですから、皆さんもちょっとだけ意識して下りを楽しんでみてはいかがでしょう。